以下の記述は、JASRACがJAZZ喫茶ライブハウスに関わる諸問題に対して方針を変更したと思われる2005年末以前に書かれたものです。2006年に入り状況は変化ています。JASRACはこの問題を適正化すべく改革方針を打ち出し、業界代表組織と協議中です。
過去資料 初期調査 (2004年前期)

PRIMITIVE-DOUBT

<その3>

<文化庁は文化審議会著作権分科会報告書(案)を国民に呈示した以上、この巨額過去分請求に関する見解を表明する必要があるのでは?>


昨年の文化庁の著作権分科会の報告書原案にある国の現状での立場と、JASRACが今平然と行っている過去分巨額請求のギャップが大疑問だと思うのですが、もしこの過去分請求がここで通るのであれば、これはJASRACだけの問題と言うより、大元の文化庁の問題になってしまう。ただでさえ文化庁の天下りうんぬんを言われている訳だから、説明がキチンと付く対応を文化庁に求めたいところです。あるいは、国が正式に間接侵害規定を認めていない現状で、一方的に演奏会場提供者が行ったかもしれない可能性(営業していたのだから侵害した)だけを理由に、業者側が支払わせる事が出来る理屈が在りえるとすれば、文化庁にこそそれを説明してもらいたい。報告書の第五章を読んだ限り僕は在り得ないと判断したけど、その視点は未だ変わらないですからね。そもそも、本来の著作権者がいるのに、そことの関係は一切とわれずJASRACとの契約において起こる関係だけを前提に著作権法が扱われること事態が不可解だ。

さらに、そもそも新潟に限って言ったって、今回根拠になるほとんどの著作権は海外のアーティストのものである。なのに海外の実質的な権利者とJASRACの関係は一切問題にならず、JAZZ喫茶側とJASRACの関係だけに限定されて物事が動くのはおかしい。国内のミュージシャンに関してなら、彼らは完全に著作権をJASRACに手渡しているので、JASRACがそれを自分の著作権として主張するのはありえるかも知れない。しかし、海外の著作権管理が同じシステムなのか疑問だ。

JASRACはどのような方法で、海外の著作権者に払うのか、海外の権利者側とどのような契約関係になっているのか国民に提示すべきだ。たとえば、アメリカジャズ協会やジャズの巨匠の財団がこれに関してどのようなスタンスを取っているのか、国民はキッチリ知る必要がある。その調査は本来は大新聞各社がやるべきことだが、多分やらないであろう。でも個人的に聞いても案外外国では教えてくれるものです。

実際、今回JASRACが自分の権利だと主張して全国から徴収する著作権料は、ほとんどがはっきり行き先がわかるものだ。個別のミュージシャンにまで直接渡すことは難しいと言うかもしれないが、少なくてもアメリカとヨーロッパと日本のパーセンテージを出して、それぞれのJAZZ協会に配分できるようにするぐらいは、ここまでの巨額徴収する以上当然そんな簡単なシステムぐらいは確立してあってしかりでしょ。ネットで言われているプール金とか言うのが本とで、そこに回っていたとしたら大変なことだと思う。