以下の記述はJASRACがターニングポイントに立ったと思われる2005年末以前のものです。
2006年現在、JASRACはJAZZ喫茶ライブハウスに関わる諸問題を適正化すべく改革方針を打ち出し、業界代表組織と協議中。


世界情勢の中で

既存勢力の猛攻が表立つ中、世界の今をしっかり捉えた国の方針を要請する戦いは継続している。国がなし崩し的に進めてる著作権改変へのプロテスト。

知的制度改革への疑問 中山信弘 教授
http://www.mainichi.co.jp/eye/interview/200403/08-1.html

知的財産権法は本来、創作者の利益を守り、産業を発展させるのが目的。権利強化をしすぎると、流通を阻害し、逆に業界全体の衰退を招きかねません。知財改革の成否は今後の日本の知的産業の発展を左右します。急いで改革すべき部分と慎重に議論すべき部分を切り分け、拙速は避けるべきです。(上記サイトより結語を引用)

ここで中山教授が結んでるのは、権限が既得権益の温存を許したまま強化されることが、結果的に産業全体の衰退につながると言う見解ですよね。米経済開発委員会の最近提示した見解、http://pcweb.mycom.co.jp/news/2004/03/02/006.htmlと同じ方向を伝えてますね。

現在のJASRAC+音楽産業の選択は民衆が警鐘を鳴らしたにもかかわらず、踏み込むべきでない舵取りを行ったサンプルとして残るだろうね。なにせこの21世紀、世界は著作権の緩和領域を何処に持っていくかの具体的な検討段階に向かってるのに、この国と言えば、JASRACに典型である「著作権の緩和領域ゼロ状態(完全管理)」目指して爆走してるのであるね。世界はこの緩和領域が存在する事で、実は産業全体が動いてるんだと言うことにあらためて気づき(そんなん当たり前のことですわ)、それをあらかじめ含んだシステムを確立しようとしてるわけだよ。

これから世界の文化領域は、ネットや高速安価国際移動の可能性などと一体となって、こうした世界標準たる著作権概念の大きい流れを急速に形成し、さらにネットワーク化してくね。もう方向性は誰もが見てるとおりだよね。これを土台に世界は、まさにARTの語源どおり、芸術と産業技術とが密接に絡んでの革命的な展開をする。この世界の流れに乗り遅れた時、国は死守しなければならない生産業種での沈下が構造化する可能性すら想定する必要があるでしょうな。(すでに一歩そうなってるんだよ。)


VISION OF COMPANY
このサイト(↓)は、通産省に関連した講演の議事録らしいんだけど、日本での雇用や起業に対する観点から、我国での音楽著作権使用料の独占状態による高値維持が国内産業停滞を導く懸念を訴え、そのことを具体的な問題例として提示しているんだね。ここで言われてる事は、ライブハウスやJAZZ喫茶への巨額請求に関してもまったく同じ問題なんだな。経営者側の状況と無関係に設定された一方的な高額徴収によって、文化事業としての可能性を尊びそのために経済上厳しい道をあえて選んできた店舗が壊滅していく結果を、なんら問題だとは思わないということにおいてね。

http://www.kiis.or.jp/salon/kikansi/kiis107/107htm/miti3.htm

一つ例を申し上げますと、日本の音楽著作権というのは非常に厳しく管理をされている ことで有名です。文化庁の長官の指定する団体が音楽著作権に関しては集中管理を行って いますが、これは今日本に一つしかありません。ということは独占で当然料金は高くなり ます。例えば、今インターネットを使った音楽サービスの事業を始めようとすると、要求 される著作権料があまりにも高額ですから、とても事業の立ち上がり時期にやっていけな い。仕方がないのでアメリカでコンピューターのサーバーを借りて音楽を送信するという ことを始めています。 これで何が起きるかというと、せっかくの日本で起業できた事業が、結局、アメリカの 企業によって行われ、雇用もアメリカで発生する。あるものを守ってやりたいというため にやるのですが、逆に守り方がよくないと、角をためて牛を殺すということも起こってし まう可能性があるという例です。 (上記サイトから一部引用/ PS:このレポート1998年の状況らしいんだけど基本何も変わってないよね。)

世間の実情
こっちには、当世JAZZライブハウスの経営事情が書いてあった(↓)。こんな感じでなんとかやってるわけだな。(でも、ちょっとミュージシャン事情バラし過ぎじゃないスカ?)こんなのはもともと経済上成り立たないんだからやめてしまえという声も、確かにあるけどね。ホントにそれで、この先この国の音楽環境ってよくなってくのかね?世界は逆をやり始めてるよ。
http://www.asahi.com/offtime/jazz/031007.html