以下の記述は、JASRACがJAZZ喫茶ライブハウスに関わる諸問題に対して方針を変更したと思われる2005年末以前に書かれたものです。2006年に入り状況は変化ています。JASRACはこの問題を適正化すべく改革方針を打ち出し、業界代表組織と協議中です。
過去資料 (2004年前期)

CREATIVE-COMMOMS
NEW VISION

このサイトには、クリエィティブ-コモンズの明確な見解がまとめられている。これに関わる文化庁の視点(もう一つしたのリンク参照)にも非常に興味を持ったね。21世紀世界の流れは変わるのさ。昨日までの著作権概念は、過渡的な事態に過ぎなかったんだ。そこでの失敗事例、表現者と表現活動を尊ぶ援助者への非情な弾圧、その記録はネット上にしっかり残され、誰もがいつでもそれを検証できる。そしてそれは世界に発信されている。

無意味な規制を廃止 文化の自由を守れ
クリエーターに大きな負担を強いる著作権「許可の文化」

ローレンス・レッシグ氏(スタンフォード大学ロースクール教授)は2003年12月2日、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター主催のフォーラム「情報社会時代の知的財産権」で基調講演を行い、著作権による規制強化は文化の自由を奪うと主張した。以下、同氏の講演要旨をまとめた。(←ヘッダー引用)
http//www.glocom.ac.jp/top/2003_12_04news.html

それと
文化庁はCCのビジョンにも通じる新たな方法の導入を検討していたんだな。この会合(↓)ではJASRAC理事のCCヴィジョンに対する見解も披露されてるね。もしここでチラッとだけ出てきてるJASRACのCCヴィジョンを尊重する視点、これが新たな動きとして今後拡大展開していった場合には(そうせざるを得ないように歴史は動くのさ、JASRACサイドにだってそのことをプラスに捉える筋書きは在り得るはずだよ)、オイラたちが今、これはマジでおかしいゾと言ってるいくつかの事例は、そのまんま過去の過ちの記録(それも最悪のね)としてJASRACの歴史にも残されちまうんじゃないの。50年代のASCAPの事例みたいにね。どうせならそれは、今ここで避けといた方がいいでしょうよ。違うんでしょうかね?CCやそれに関係する新たな著作権に関わるビジョンが、21世紀初頭革命的に動くのは、どう考えたって当然の流れなんだから。
http://www.glocom.ac.jp/project/chijo/2004_01/2004_01_12.html

しかし
レッシグ教授の視点(↑)、あらためて読んでみると、なんですね。今、オイラたちはこの国で相当に低次元な状況と戦ってないスカ、という感想です。文化活動に貢献してきた個人営業者や地域イベントへの法外な請求、そして訴訟。JASRACはその人々の生活を根底から破壊しようとしてるけど、全く同じ行為がレッシグ教授が示す環境ではなんら問題とはならないものだね。オイラたちが得てる情報では実質アメリカでは、新たな表現の可能性に眼を向けての、ある程度の規制緩和が成されているようなんだ。

21世紀、世界は既にこのサイト(↑)に書かれてる可能性の実践段階にステップアップしてると言うのに、あまりにも絶望的なフィールドが今この国には広がってるのよ。

アメリカでは、消費者団体までも、こうした新たな方向に関わって積極的に動いているんだな。
(↓)
今年7月、消費者団体「CPtech(Consumer Project on Technology)」が世界知的所有権機構(WIPO)に、公共財としてのオープン・コラボレイティブ・モデルについての意見を述べた公開書簡を提出した。

新潟JAZZ喫茶+JAZZイベントの訴訟事件、名古屋ライブハウス巨額請求、日本オーケストラ連盟問題、名古屋ダンス教室訴訟など、これら全て世界の動きと完全に逆行してるとしか思えないんだけどな。たとえばその世界知的所有権機構(WIPO)http://www.wipo.org/ とか言うとことかは、こうした日本の状況をどう捉えるのだろうか。CPtech http://www.cptech.org/とかいったあたりで、著作権管理業者の使用料徴収形態の問題点として研究材料になってもなんら不思議ではない気がする。そもそもCCやそれに関わる日本のグループはどう思ってんだろ。あまりにも世界の今とギャップがありすぎるワ。なにしろ、現在様々な場所で展開中のJASRACの実践は、CCが現状で問題だと言ってる次元なんかは遥かに通り越してるわけで、もはやそれは規制なんてもんじゃない段階にあるでしょう。クリエイターへの負担が大きいとかそんな次元ではなく、著作権管理団体が掌握する著作物に関わっての表現活動など、もはや不可能な状況に近づきつつある。大資本だけだな、これから関われるのは。

一部ユーザー側も余りの規制に嫌気がさして、CDなど買いたくないと言い出してる。消費者は夢や希望や可能性とか個別の音楽のさらに向うにある何かにも関わってこそ音楽を買うのだから、もはやそうした背景を根こそぎ剥ぎ落としてしまったこの環境では、その意味を理解した人間が消費意欲など保てるわけがないよ。結局、こうした動きはレコード会社の損失へ直結することになってるという当たり前の話なんだが。



CREATIVE-COMMOMS
レッシグ教授&CREATIVE-COMMONSへのインタヴュー

http://homepage3.nifty.com/machina/r/ccinterview.html

このインタヴューに出てくるブラジルでの動きは実に素晴らしいなぁ(一部引用↓)。やはりブラジルだな。自由ってどういうことで、それが共有すべき最も重要なもんだってことをよく分ってるよね。そもそも、文部大臣がジルベルト・ジルだと。知ってたスカ?これ読んでマジで泣きが入ったです。

真紀奈
次の質問はサンプリングライセンスについてです。2003年12月16日に公開されるというこのライセンスについて少し教えてください。

ブラウン
これはブラジルの文部大臣で、有名なミュージシャンでもあるジルベルト・ジルたちが中心になって作っているライセンスで、音楽のサンプリングから名前を付けている。このライセンスでは、コンテンツをそのまま複製することは禁止するけれど、クリエイティブな使い方で著作者表示をしていれば営利非営利を問わずにコンテンツを利用してもかまわないというものだ。また、非商用での利用に限って、サンプリングライセンスに加えて複製を許可するというものとしてサンプリングプラスというライセンスもある。
(↑)
こういう考え方こそが、やがて世界のスタンダードになるのは当然だろうね。この方がクリエィターとリスナーだけでなく、音楽産業全体の利益、そして国家規模での文化発展に間違いなく結びつくんだから。(←あ、こりゃへんな言い方だったかな?クリエィターとリスナーの利益が増大するってことが音楽産業の利益を拡大させるんだったわ。本来はそうでした。)


LOCA-RECORDS
クリエイティブ-コモンズのライセンスをもつレーベル、ロカ-レコーズのコメント
(↓)
 ベリー社長はこう語る。「著作権が暴走している現状を強く懸念している。私の会社の方式は、新しい文化と新しいサウンドを創る機会を与えるものだ。もし今、自分の利益ばかりを考えてわれわれの文化を誰にも使わせなければ、次の世代に与えるものは何もなくなってしまう」

http://www.locarecords.com/nf_index2.html
http://www.hotwired.co.jp/news/news/20031125102.html



世界はもうここまでクリエィティブに動き始めてるんだ。そして、ここで拡大して行く(というかもう世界交通でバンバンしてるだろ)全く新しいARTとそれをささえる受け手の欲求の可能性を理解できる資本こそが、この奔流に対応して新たな産業形態を構築していくんだろうね。キャピタルサイドにも今はチャンスなんだよ。ようは、骨のズイまでと言う発想ではなく、うまく畑を耕すことに協力してその環境と共存するっちゅうかね。